令和8年9月16日、ONE TOHOKU 主催のもと、一般社団法人 火災予防の ONE LOVE 代表理事の渡邉 航生氏をお招きし、「火災予防教育はこのままでいいのか。」を日本赤十字東北看護大学にて開催した。
火災予防の重要性や、火災発生時に命を守る方法をどう子供達に伝えていくかなどを深く学ぶ貴重な機会となった。
研修会には県内外の消防士、日本赤十字東北看護大学の学生や教職員ら合わせて40名ほどが参加した。

【第 1 部】消防士の原点と「予防」への向き合い方
研修の冒頭では、人命救助の大前提となる「確実な避難経路の確認」から話が始まった。
参加者全員での自己紹介タイムでは、「なぜ消防士を目指したのか」というそれぞれの原点を確認し合い、自身の軸をぶらさないことの重要性が語られた。
講師自身の経験として、17 歳で父親を亡くした際の「残された側の深い悲しみ」や、火災で犠牲になった子供達のこと、さらには交通事故の事例などが挙げられた。
人が亡くならなくとも、災害や事故によって人生が一変してしまう人々が存在するという現実に目を向け、遺族や被災者の声に敏感に耳を傾けることの重要性が強調された。
さらに、命を守るためのアプローチについて次のような力強いメッセージが共有された。
「命の守り方には順番がある。消防士は『起きてから助けに行くぞ』ではなく、火災を未然に防いで命を救う。
『予防』から逃げるな。」
課などの垣根を越え、消防士同士が固い連携を結び、地域や人々のために力を合わせて生き抜く姿勢が確認された。

【第 2 部】法制度の理解と消防設備の現場活用
第 2 部では、過去の重大なビル・ホテル火災(新宿歌舞伎町雑居ビル火災、ホテルニュージャパン火災、千日デパート火災など)の教訓を振り返りながら、法制度と現場活動のあり方についての議論が展開された。
•消防責任と権限の行使:
災害時における被害軽減や消防責任を果たすため、消防士が持つ権限や役割について再確認。避難経路上に障害物を置かせないことや、消防隊の活動支障となるものに対する移動命令など、「逃げることが出来ないことにより人が亡くならないようにするための命令」である本質が解説された。
•違反是正と消防設備の活用
「違反是正=人命救助」「火災予防=人命救助」という認識のもと、最後の砦である「消防設備」の重要性が取り上げられた。消防設備は消防隊だけでなく一般の人も使用できる場合があり、日頃から管轄内の設備把握や加圧排煙などの運用を想定しておくことが、現場の活動力を大きく高めるカギとなることが伝えられた。
【終わりに】今後の展望と実践に向けて
研修の締めくくりとして、座学にとどまらない実践的な取り組みの必要性が提言された。
今後は、消防設備を実際に活用した「ブラインド型避難訓練」の実施や、訓練の効果を検証・共有するための「ブラインド型消防訓練リフレクションシート」の活用を推進していく。
今回の研修は、日々の火災予防や防災教育のあり方を根本から見つめ直し、組織全体で意識を共有する非常に有意義な機会となった。
研修の様子はこちらから↓
【AKT 秋田テレビ公式ニュース】
元消防士、避難経路確保の大切さ訴える 「その場からの避難方法知っておくこと」が火災から命守る
秋田市 (26/09/16 18:30)

