災害が起きてからでは遅い。平時からの顔の見える関係を。「令和8年度 災害ボランティアコーディネーター養成研修【基礎編】」

令和8年9月29日、30日の2日間、秋田県社会福祉協議会主催の「令和8年度 災害ボランティアコーディネーター養成研修【基礎編】」が開催され、ONE TOHOKUから3名が参加しました。

講師を務めたのは、特定非営利活動法人にいがた災害ボランティアネットワーク理事長の李 仁鉄氏。

災害発生後、被災者一人ひとりが抱えるニーズをどのように把握し、必要な支援につなげていくのか。

そして、限られた人員や資機材の中で、さまざまな支援団体がどのように連携していくのか。

2日間の講義と演習を通して、災害ボランティアコーディネートについて学びました。

被災者が本当に必要としているものは何か

1日目は、災害支援の全体像や、災害発生から復旧・復興までのフェーズについて確認するとともに、被災者にはどのようなニーズが生じるのかを考えました。

災害時に寄せられる相談は、目に見える被害に関するものだけではありません。

「家の片付けをしてほしい」
「家具を動かしてほしい」
「泥を出してほしい」

一見すると単純な依頼に見えても、その背景には生活環境や家族構成、身体的な事情など、一人ひとり異なる状況があります。

グループ演習では、実際に被災者宅を訪問してニーズを調査することを想定し、訪問時に使用するチラシを作成しました。

「被災者はどのような情報があれば安心できるのか」
「どこに相談すればよいのか」
「どのような支援を受けられるのか」

被災者の立場に立って考えながら、情報の伝え方について検討しました。

想定どおりにはいかない「ニーズ調査」

2日目は、前日に作成したチラシを使用したニーズ調査の演習を実施しました。

講師が被災者役を演じ、グループごとに異なる被災者を想定し、実際の訪問をイメージしながら対応しました。

しかし、演習を進める中で、準備したチラシだけでは対応が難しいケースもありました。

災害現場では、被災者から出てくる言葉のすべてが「本当のニーズ」とは限りません。

目の前の困りごとだけを見るのではなく、その背景に何があるのか。

そして、自分たちだけでは解決できない課題を、どこへつなげるのか。

「ニーズを聞く」ことの難しさと、支援につなげるためのコーディネートの重要性を学ぶ機会となりました。

社協と消防・技術系団体の連携

2日目には、ONE TOHOKU理事兼秋田支部長の中道聖也が、「社協と消防技術系団体との連携」と題して講義を行いました。

災害現場では、社会福祉協議会だけでは対応が難しい専門的なニーズが生じることがあります。

土砂や倒木の処理、重量物の移動、家屋内の危険箇所への対応など、専門的な知識や技術、資機材が必要となる場面も少なくありません。

そうしたニーズに対して、技術系団体が持つ知識や技術をどのように活かし、社会福祉協議会などの支援機関と連携していくのか。

ONE TOHOKUがこれまでの災害支援活動で培ってきた経験をもとに、技術系団体が担うことのできる役割について共有しました。

災害ボランティアセンターを「設置する」だけではない

最後に行われたのは、災害ボランティアセンターの設置演習です。

ハザードマップを活用し、災害ボランティアセンターの設置場所やレイアウト、ボランティアの動線、さらには他団体の活動拠点などについて、グループで検討しました。

災害時には、限られた場所・人員・資機材をどのように活用するかが重要になります。

また、さまざまな団体がそれぞれの強みを活かしながら活動するためには、単に「活動場所を確保する」だけではなく、平時からお互いの役割を理解しておくことが必要です。

「災害が起きてから」では遅い

災害が発生すると、平時とは異なり、人員や資機材、時間などのリソースが限られます。

その限られたリソースの中で、被災者一人ひとりのニーズに対応していくためには、行政、社会福祉協議会、技術系団体など、さまざまな関係機関が互いの役割を理解し、連携することが重要です。

だからこそ必要なのが、平時からの「顔の見える関係」です。

災害が起きてからではなく、平時から顔を合わせ、お互いの活動や強みを知っている。

その関係が、いざというときの迅速な連携につながります。

今回の研修を通じて、改めてその重要性を感じました。

ONE TOHOKUとしても、社会福祉協議会をはじめとする関係機関とのつながりを大切にし、平時から顔の見える関係を築いていきます。

災害時に必要とされる存在であるために。

これからも、地域や関係機関との連携を深めながら、災害に備えた活動を続けていきます。